No.21[1]にてAlSi10Mgのスキャンストラテジーと金属組織の関係性を紹介しましたが
今回は同様の手法によるNi基超合金に関する研究を紹介します。

H.Y.Wan[2]らがInconel 718に適用したスキャンストラテジーをFig.1に示します。
毎層同一スキャン方向の(a)をX試料、積層毎に90°スキャン方向が回転する(b)をXY試料と呼びます。

 

 

21fig1 21fig2
Fig.1 2種類のスキャンストラテジー
Fig.2各試料の極点図と逆極点図
[(a)(b):X試料、(c)(d):XY試料]

 

上記2つのストラテジーによって造形された試料の極点図および逆極点図をFig.2に示します。
X試料ではスキャン方向(x)と積層方向(z)に沿った<001>方向の弱い集合組織が確認されます。
一方でXY試料ではスキャン方向に沿った<001>方向の立方体集合組織が確認され、そのピーク強度はX試料に比べておよそ3倍高い値が検出されています。
スキャン方向が90°回転するストラテジーで、高いピーク強度が検出される結果はTaの造形においてもみられます。[3]

しかし、これらの傾向はNo.21[1]のAlSi10Mgの結果とは逆になっています。
それぞれの研究の結果は異なっていますが、粉末材料、セッティングパラメータ、装置など影響因子は複数あり
個々の考察からその相違の整合性を読み取るには材料が足らず、横断的な研究が必要とされています。

 


[1] 金属3Dプリント技術情報 No.21 アルミニウム造形品のスキャンストラテジーと金属組織の関係

[2] Wan H, Zhou Z, Li C, Chen G, Zhang G, Effect of scanning strategy on grain structure and crystallographic texture of Inconel 718 processed by selective laser melting, Journal of Materials Science & Technology, 2018, vol.34 (10): p1799-1804

[3] LoreThijs,Maria LuzMontero, Sistiaga Ruben, Wauthle Qingge, Xie Jean –Pierre Kruth, JanVan Humbeeck, Strong morphological and crystallographic texture and resulting yield strength anisotropy in selective laser melted tantalum, Acta Materialia, 2013; Vol.61: p4657-4668

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